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徒然なるままに、

溜まったオモイのはけぐち。

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 前回のブログのタイトル「夏がやってきた」でした。一年前の去年の7月のタイトルも「夏がやってきた」でした。これ偶然です。さっき気づきました。きっと去年と同じ心持ちだったんでしょうね。でも1年前の記事で6つ前。てことは2か月に一回しかブログ更新してないやん。あかんやん。てことで小話。
「あまい毒」


「恋ってつまり一種の病気なのよ。」
 さっぱりした柑橘風味のティーを一口飲んでナミは突然そんなことを言い出した。チョッパーはまさか自分に言われているとは思わず、チラッとナミを横目で見て、また読みかけの本に目を落とした。
「聞いてる?」
「え、おれに言ってるのか?」
「当たり前じゃない。ここにチョッパーとあたし以外誰もいないでしょ。」
 確かに。サニー号の図書館で本を読んでいるのはおれだけだ。ナミは測量机で今日の航海日誌を書いている。今日あったことを思い出すように時折ペンをこめかみにあて、さらさらと書き綴るときの表情はこっちからは見えないけどきっと笑ってる。
「医学的に恋は病気じゃないぞ?」
 読みかけていた本を閉じ机に向かってるナミの方見ると、同じように航海日誌をぱたんと閉じた。それからティーを持ってチョッパーと向き合うように座ると、チョッパーあのね、と話を続けた。
「科学的には証明できないものもこの世の中にはたっくさんあるのよ。」
「それは分かってるぞ。」
 ナミの言うような理屈や常識では説明できないようなことが、この広い海にはたくさんあることを身を以て重々承知している。山いっぱいの鮮やかな桜が不治の病を治すことだってあるんだから。
「ただ、恋って病気みたいに治す必要あるのか?病気とはまた違う気がする。」
「そうね。でもいずれ分かるわ。アレは病気の一種よ。」
 ナミは分からないくらいの、あきれたようなため息をつくとチョッパーでも治せないと思うわ。と、どこか遠くを見つめて意味ありげに言った。
「これ、キッチンに戻しておいてくれる?」
 どうやら恋は病、の話はこれで終わりらしい。
「分かった。なるべく早く寝るんだぞ。夜更かしは肌に悪いからな。」
「ふふ、ありがと。おやすみチョッパー。」
「おやすみ。」
 それにしてもなんでナミは突然あんなことを言い出したんだろうか。誰か恋っていう病気にかかってるとか?いや、ナミは女の子だからそういう話をしたかっただけかもしれない。女の子の話を聞くのが男だからな。もちろん、女のウソを許すのも男だけど。なんかいつかのサンジの言葉みたいだと、チョッパーは小さな手を口にあて、えへへと笑った。

 キッチンに入るとそこにサンジの姿はなく代わりにゾロがいた。大きなお酒の瓶とおつまみが置かれている。チョッパーに気が付くとゾロはどうしたと声をかけた。
「グラスを返しにきたんだ。」
「そうか。」
「あのさ、ゾロは、恋したことあるのか?」
「ッ、ごほッ、」
「わ、大丈夫か?」
 ゾロは飲んでいた酒にむせて咳き込み、口の端から零れた酒を手の甲で拭った。急になんちゅうこと聞くんだてめェは!と理不尽に怒鳴られたがチョッパーはそれでもひるまなかった。こんなこと日常茶飯事である。
「ナミがさっき、恋は病気だって言ってたんだ。」
「恋なんて知らねェよ。さっさと寝ろ。」
 そう言い捨てると残っていた酒を一気に飲みほし、ちゃんと空になった酒瓶を戻すべき場所に持って行った。その後姿を見ながら、なんかゾロが冷たい、おれなんかしたかなとチョッパーは頭を悩ませた。するとコツ、コツと革靴の音が近づいてきた。
「お、チョッパー!珍しいなこんな時間に。寝れねェのか?」
「ううん、今から寝るとこだ。」
「じゃあ寝る前にホットミルクでも飲むか。」
 サンジの言葉にうなずいて席に座る。みんながいる時のダイニングとは少し違うように感じた。静かでゆったりとした時間が流れてるように思う。大人の時間、みたいな。それはきっとここの主であるサンジが醸し出す雰囲気がそうさせているんだとチョッパーは気が付いた。
「はい、お待ちどうさん。」
「ありがとう。」
 チョッパー専用のピンクのマグカップからはほんのりとミルクの中に甘いハニーシロップのにおい。冷たいグラスを持っていた掌がじーんと、温かくなる。サンジはチョッパーの横に斜めに座ると机に肘をついて煙草を吸った。チョッパーの目の前の席にいるゾロは、何も言わずただそこにいる。ただ少し気を張っているようには見えた。
「手あっためてるのか?」
 サンジに聞かれこくんと頷くと持っていた煙草を咥えて、チョッパーの小さな手に自分の手を重ねた。
「ほんとだ冷てェ。ホットミルク飲んであったまったらちゃんと布団着て寝ろよ。」
「おぅ。ありがとな、サンジ。」
 サンジは頭にぽんと掌を置くと、朝食の仕込みにとりかかった。やっぱりいつもと違う。全部を包み込んでくれるようなサンジは、なんだかくすぐったい気持ちになる。幸せに浸りながら一口、ミルクを飲んだ。ふわっと甘味がひろがって、今夜はぐっすり眠れそうだ。
「じゃあ、二人ともおやすみ。」
 チョッパーはキッチンにマグカップを返すとそのまま部屋に戻った。

 二人になったダイニング。ゾロは頬杖をついて隣に座ったサンジをじっと見つめた。
「チョッパーにまで嫉妬してんじゃねェよクソマリモ。頭撫でたくらいであんな俺のこと睨むなっつーの。」
「仕方ねェだろ、病気なんだから。」
「はあ?恋の病にかかってるとでも言いたいのか?お前が言うと気持ち悪ィぞさすがに。」
「二人とも病気みたいなもんだろ。」
 ぼそりと言ったゾロの言葉をサンジは否定しなかった。まあそうだな、と笑って返すとチョッパーにしたみたいにゾロの髪の毛に自分の手をうずめて撫で、そのままキスをした。


よく分からんことになってしまって収集できなくなりましたすいません。
ナミさんねー、困ってるみたいですね。仲良しな二人に。
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2015.07.13 00:56 | SS | トラックバック(-) | コメント(0) |












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